保育のお仕事パーフェクトガイド

魔の3年目!保育士が辞める前に考えること

「3年目の保育士は辞めやすくなる」という話を聞いたことはないでしょうか。
厚労省の『保育士資格を有しながら、保育士としての就職を希望しない求職者に対する意識調査』によると保育士の勤続年数で一番多いのは5年以上10年未満。
ついで3年以上5年未満、1年以上3年未満となります。
一番多い5年以上10年未満で3割を超えており、1年未満という方も1割いるので、3年目までに辞めてしまう保育士が多いということがわかるでしょう。
特に3年目の保育士はある理由やきっかけが原因で辞めてしまいます。
勤続3年目の保育士がやめようと悩み始めるきっかけはなんなのでしょうか。

■3年目の保育士に起こること

右も左もわからないなかどうにか乗り切ってきた1年目2年目に対して、3年目に突入すると作業のコツやイベントに対して余裕がうまれ落ち着いてきます。
周囲を見る余裕ができてくるため1年目のときにはできなかった仕事ができるようになったり、先輩という立場から新人指導割り当てられたりすることもあるでしょう。
さまざまな理由から3年目は立場が変わりやすくなり、それに伴って仕事の責任をつらく感じたり、自信がなくなったりすることもあります。

逆に今まで見落としてきたことに気付きやすくなったり、キャリアップしたいと思うようになるかもしれません。
「園長の教育方針とあってない」「他の保育施設の方が労働条件がいい」など、視野が広がって「今の職場で働き続けていいのか」と思ってしまうのです。
「辞めよう」と思った時にすぐに辞めずに、待遇面や労働条件をよく見直して今後のことを考えて辞めることを考えていきましょう。

■3年目の保育士が辞める前に考えるべきこと

●5年後の未来をイメージしてみる
今の職場環境や待遇に不満が芽生え始める3年目。
では現在の職場で働き続けて5年後10年後と同じ職場で働く自分をイメージできますか。
長く働くと考えた時に「安定していそう」「楽しそう」といった明るいイメージが浮かばないのであれば、辞める決断をするのアリでしょう。

●給料や労働条件について改めて考えてみる
昇給や賞与など給料や労働条件について不満が出てくるのも3年目の保育士。
「他の職場ではもっと稼げるらしい」「残業が多くて体がついていかない」など不満は溢れてきてしまいます。
逆に「近くの保育施設では今働いている園が一番条件がいい」ということもあるでしょう。
そういった場合、「ここで働き続けて昇給すれば手取りがかなり増える」というイメージができたら、辞めたい衝動を抑える方がいいかもしれません。

●ライフステージの変化に対応できるか
20代、30代で保育士の夢を叶え3年目になる保育士が思うのは今後結婚・妊娠・親の介護などが必要になったとき、働き方を変えていかないといけなくなること。
そんな時に今の職場で働き続けたいと考えていても、同じ働き方では続けられない可能性が出てきます。
有給育休取得率が高く、時短勤務や子どもの急な体調不良にも理解してもらえるサポートが期待できる園であればそのまま務めた方が得策です。

■自分で解決する方法も

職場環境や労働条件に問題がないのであれば続けるのも一つの手。
また、悩みを自分で解決に導く方法もあります。

●キャリアアップする
「給料」に不満があるのであれば、自分から上げさせる方向に持っていくのです。
3年以上勤務していると、公的な保育士支援制度である「保育士処遇改善等加算Ⅱ」の恩恵を受けられます。
自分磨きを怠らなければ月額最大4万円アップも可能なのです。

●ICTシステムを利用する
園にICTシステムが導入されているのであれば、決められた以上にシステムを勉強して使いこなし、作業を軽減しましょう。
事務作業負担が減れば、その分残業も減ります。1日の仕事をリスト化して優先順位を決め、効率化を図ることが大切です。
業務を効率化して保育の時間を増やせば子どもたちへの目も増え、より園にとって重宝される人物になれるでしょう。

●適度な距離をはかる
人間関係に悩まされて退職を考える保育士は少なくありません。
仕事だと割り切ってプライベートとは切り離して適度に距離をおくことで必要以上のトラブルに巻き込まれることはないでしょう。
大人の対応はどこの保育施設に行っても必要になります。

■まとめ

3年目の保育士は悩みが多いですが、転職している方が多いことからも「みんな3年目には悩んでいる」のです。
いろいろなことが見えてくるからこそあなたがその職場でできることがあります。
現在の環境をよく見直して、それでも辞めたいと思ったらより良い環境を目指して転職活動しましょう。