「レッジョ・エミリア教育」をご存知でしょうか。
イタリア発症の幼児教育実践法のひとつで、保育園や幼稚園などの保育施設で取り入れている場合もあります。
レッジョ・エミリア教育の特徴や教育理念を知っていると保育士として職場の選択肢が広がるでしょう。
こちらではレッジョ・エミリア教育の特徴についてご紹介しましょう。
レッジョ・エミリア教育とは
昨今世界的に注目されている教育法「レッジョ・エミリア教育」。
北イタリアに位置するレッジョ・エミリア市で発祥された教育方法の一つです。
「100のことば」を教育理念として、「子どもの無限の可能性」を伸ばし、子供の自主性や興味・関心を伸ばす教育と言われています。
レッジョ・エミリア教育の特徴
独自の教育環境
子どもの創造性を育む教育環境を整備して行うレッジョ・エミリア教育。
アトリエ、キッチン、お昼寝の部屋にランチの部屋などが壁で隔てられずに1つの大きな空間になるよう設計されています。
子どもたちが思い思いの時間を過ごせるように、本やパソコンなども同じ空間に備えられている状態です。
その空間の中に「ピアッツァ」と呼ばれる共同広場やアトリエがあるのは大きな特徴でしょう。
壁がないことで保育スタッフが子どもたちを広く見守ることができ、子どもたちはのびのび過ごせるようになっています。
創造性を育む環境を作りながら安全に過ごせるように工夫されているのです。
あらゆるものを教材に
身の回りに存在するあらゆるものをおすべて教材にすることもレッジョ・エミリア教育の特徴です。
保育スタッフがフォローしながら子どもたちのインスピレーションを育っていきます。
一般的な画用紙などももちろん使いますが、道端で手に入る石や小枝、植物や針金、ペットボトルのような人工物などさまざまな材質や素材のものを利用するのです。
虫の声や車の音、溶けてなくなってしまう雪といった形がないものも教材になります。
想像力や感性を育てるだけでなく、身近なものに興味を持って生活することにつなげていくのです。
子どもと一緒に保育を振り返るドキュメンテーション
日々の保育をメモや動画、録音などを使って「ドキュメンテーション」として記録していくレッジョ・エミリア教育。
記録を見て振り返ることで、子どもたちがどのようなことに興味を持ち、不思議に思い、どのように解決したのか、何を学んだのかということがわかりやすくなります。
保育士の振り返りだけでなく、保育室にドキュメンテーションを置くことで子どもたちや保護者もドキュメンテーションを見ることができるのです。
子どもたち自身も自分たちの気持ちを思い出すことができますし、保護者はより詳しく子どもたちの様子が知れ、安心して預けることができるでしょう。
子どもたちの「またやりたい」という意欲につながることもあるのです。