保育のお仕事パーフェクトガイド

保育士が感じている悩み

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離職率が高い保育士。子どもが好きで子どもと関わりあえる仕事に就きたいと考えている方がほとんどですが、「保育士」を辞めて他の仕事に就いてしまう方も少なくありません。
どんな仕事に就いても悩みはつきものですが、保育士はどのような悩みと向き合っているのでしょうか。
保育士が抱える主な悩みをご紹介しましょう。

人間関係

●子どもへのサポートの的確さ
どのように向かい合い、どうサポートするのか、本当に今の対応でよかったのか、声かけや対応の引き出しが少ない経験の浅い保育士ほど子どもへの接し方に悩んでいます。

●保護者とのトラブル
保育を行う上で保護者との連携は重要です。普段連絡帳でやりとりをするだけという関係性の中で子どもがケガをしたなどからクレームにつながり、その対応から保護者が保育士に横柄な態度をとるようになることもあります。保育士のあら探しをして都度クレームを入れられるようになれば、ストレスで離職していくでしょう。

●職員同士のチームワーク
保育施設にとって職員同士のチームワークはとても重要です。保育観に違いがあればぶつかることもありますし、本来同僚であれば横並びですが、勤続期間で上下関係が生まれることもあります。特に新人教育を担う中堅保育士は園長や主任との板挟みに悩むこともあるでしょう。

●園長への信頼
運営方針や保育方針を保育士につい押しつけてしまう園長は少なくありません。柔軟に取り組めれば問題ないのですが、保育士の考え方のズレから意見を言いたくても園長に言えないということがストレスになります。園長の鶴の一声で行事が無くなるなどがあれば余計に気持ちが離れていくでしょう。

仕事関係

●残業や持ち帰りの仕事
保育士の業務は多岐にわたります。全体的な保育方針や子どもたち一人ひとりに対する対応、保護者とのやり取り、日々の業務。それに加えて行事がある場合はお遊戯の小物や衣装、会場装飾まで作成しなければならず、残業や持ち帰りの仕事は「あるもの」とされています。プライベートの時間も気が休まらないのです。

●手間のかかる仕事
園便りや連絡帳などあたたかみがあるからということで手書きを推奨している保育施設は少なくありません。また、壁面装飾もしっかりと作り込んである園もあります。とにかく手間が多く、業務量が増えるので体調を崩す保育士もおり、離職に拍車がかかるでしょう。

●文書作成の際のチェック
連絡帳やお便り、指導案などの文書作成で言葉の使い方からきびしくチェックされている保育施設もあります。手書きの場合はそれを修正しなければいけないために時間のロスがありますが、先にレクチャーする時間が取れないのも現状です。

●パソコンやICTシステムの操作
パソコンに保育士自身が詳しくないということもありますが、園内に詳しいスタッフがおらず、結局余計な手間が掛かってしまうということもあります。ICTシステムをうまく利用できたら業務負担も軽減されますが、機能をうまく使いこなせずストレスを感じている保育士もいるでしょう。

待遇関係

●給料が安い
給料が安いことで離職する保育士は多いです。勤続何年となっても給料が安いままでは保育へのモチベーションも落ちてしまいます。給料が安いということはもちろん保育士になる以上わかってはいたことですが、実際に目の当たりにすると想像以上で、生活レベルがあがらないことに疲れてしまうのです。

●キャリアアップに対する不安がある
キャリアアアップ制度がある保育施設とない保育施設があります。まずその前提から問題ですが、仮にキャリアアップしてもさほど手当が付かず、仕事が忙しくなったり責任が重くなったりするだけだったということになると、自分の能力を他に活かそうという気持ちにもなるでしょう。

●休暇を思ったように取得できない
土日休みをウリにしている保育施設があるくらい、開所時間によって休みの取り方が難しいのも保育施設の特徴です。業務の多さから正当な権利である有給休暇も取得しづらい現実に疲れてしまうのでしょう。

●会議の内容と拘束時間
早番・遅番勤務のある保育施設であれば、会議のために出勤するということもあります。保育士としての拘束時間が長くなることに不満を覚えることもありますし、運営方針や指導方針に関する会議の内容でぶつかってばかりだと余計に会議自体に不満を感じるのではないでしょうか。