新型コロナウイルスの感染拡大がピークアウトを迎えているという報道がされています。
しかし依然として日々多数の感染者数が伝えられており、保育施設側も油断できない状況です。
厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」や全国保育園保健師看護師連絡会の「保育現場のための 新型コロナウイルス感染症対応ガイドブック」などを参考にしっかりと感染対策を続けていかなければいけません。
そんな中、まん延防止重点措置が延長され、心身ともに疲れてしまう保護者やお子さんも少なくないでしょう。
そしてそれを支える保育士も疲弊しているため、お互いにメンタルケアが必要になるのです。
子どもたちへのケア
発達段階によって子どもたちのコロナ禍に対する理解度は変わってきます。
乳児や3歳未満児であればいつもより泣くことが増えたり、大人から離れないようになったり、攻撃性が増えたり、食事量が減ったりしているとストレスを感じています。
大人が優しく寄り添い、スキンシップを取ることで落ち着くでしょう。
保護者から相談があれば、お子さんと落ち着いて触れ合える時間を作るようアドバイスしてみてください。
3歳以上児になると、大人のイライラや疲弊感を敏感に察する子も出てきます。
ストレスからおもらしやゆびしゃぶりなどの退行がでてきたり、極端に行動的になったり静かになったり、同じ遊びを繰り返したりといった行動を取るようになることもあります。
恐怖心を顕にする子やイヤイヤ期だった子が急に聞き分けがよくなることも。
理解度はさまざまですが、子どもたちと新型コロナに関する話をする機会を設けましょう。
不安や疑問を感じたときに、いつでも話を聞いてあげられる姿勢でいることも大切です。
怖がっている子どもたちがテレビやインターネットで得る情報過多になっていないか、ご家庭の様子を確認してみましょう。
保育士のメンタルケア
子どもたちへのケアももちろんですが、保育士同士のメンタルケアも大切です。
お互いにねぎらって長引く感染対策期間を乗り越えましょう。
雑談などから本人が気づいていないようなストレスに気づくこともあるので、コミュニケーションをとるようにしてください。
予防や対策、保護者への対応など職員間で振り返り、情報共有に努めることも大切です。
日々感染対策を行い、自分自身の健康状態に留意しているからこそ体調不良に気づきやすいという側面があります。
そのため保育施設で最初の症状がある感染者として見られることも対岸の火事のような話ではありません。
そんなときに該当の職員が「感染源」であるかのように差別や偏見をもつような不用意な発言をしないようにしましょう。
子どもたちはそんな大人の発言を聞いています。すると保護者に伝わり、ひろがるのもあっという間です。
どこから感染したのかもわからないのに、感染させられた職員が精神的に参ってしまいます。
子どもたちの行動に影響がでることにも留意し、個人を保護するようにしましょう。
園内の保育士同士でも管理職でもケアが十分でない場合は国や自治体の相談窓口を紹介して解決策を模索してください。