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11月19日の閣議決定で「新しい資本主義」制作の一環として「保育士等・幼稚園教諭、介護・障害福祉職員」を対象に、「収入を3%程度(月額9000円)引き上げるための措置」を来年2月から実施することが決まりました。
しかし、企画倒れで保育士に還元されるのは難しいのではと言われています。
もともと給与引き上げとキャリアアップを図るために内閣府は「保育士処遇改善等加算」制度を設けています。
それにともなって保育士には手当が支給されるようになっているはず。しかし依然として保育士の離職は高いままです。
こちらでは保育士の働き方改革である「保育士処遇改善等加算」についてご紹介しましょう。
離職理由の6割が給料の低さ
厚生労働省の調査では保育士の平均給与は月収約24.6万円。
賞与などを含めると年間約370万円なので日本の平均データからすると決して低すぎるという金額ではありません。
しかし、仕事量の多さと子どもの命を預かる責任の重さから適正金額とは言い難いでしょう。
他の職種と比べて職制階層が園長(施設長)、主任保育士・保育士といった枠しかなかったので、昇給が見込めないことも問題になっていました。
そこで保育士処遇改善等加算制度が設けられたのです。
保育士処遇改善等加算
上記の通り離職理由で一番多い給与面の不満を解消するための制度が「保育士処遇改善等加算」です。
国から園に補助金が支給され、職員の待遇を良くして離職率を下げ、待機児童を減らすことにつなげるのが目的となります。
●処遇改善等加算Ⅰ
処遇改善等加算Iは2013年に設けられました。
給与の約3%である月額約9、000円の支給、5年後の2018年には約11%の月額約35000円と段階的に保育士への手当の支給があがる仕組みです。
加算額は「加算単価の合計額×加算率×子どもの人数」で算出されます。
加算単価の合計額とは、加算Iの加算項目として設定された単価を合計した額です。
たとえば保育所では、「3歳児配置改善加算」「チーム保育推進加算」など年齢加算、定員加算などがあります。
などがあります。
●処遇改善等加算Ⅱ
2017年に「保育士処遇改善等加算Ⅱ」が設けられました。
職業階層の中に役職を新たに設定して、保育士のキャリアップを目的としたものです。
公立保育園での主任保育士の平均勤続年数は20年以上と長く、それだけキャリアを積まないと役職を得ることは難しいことがわかります。
そこに「副主任保育士」や「専門リーダー」「職務分野別リーダー」という3つの役職を増加。
保育士のスキルや経験に応じて役職が与えられ、必要であればキャリアアップのための研修も行われる事になりました。
副主任保育士や専門リーダーは月額最大4万円支給されることになっており、職務分野別リーダーも月額5000円支給されることになっています。