ブラック企業という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
近年話題になっているのは「ブラック保育園」です。
今回はブラック保育園にスポットを当てて、ブラック保育園とは何かをご紹介します。
保護者や園児にとってのブラック保育園の実態
少し前に兵庫県の認定保育園での不祥事が問題となりました。
国や自治体からの補助金を不正に受給したり、園児や保育士を劣悪な環境に置いたりと、悪質な経営を行っているまさに「ブラック」な保育園です。
この時問題になった「わんずまざー保育園」では、定められている定員以上の園児を受け入れ、園児の人数をごまかしたり保育士の人数を水増しして姫路市から補助金として2年間で1億円を受け取っていました。
規定通りの人数の園児を受け入れながらもそれに対する保育士の人数が少ないため、仕方なく時間外労働などを行っているほかの多くの保育園とは違い、「わんずまざー保育園」では、おおよそ保育士一人当たりでは保育のできない人数を受け入れ、なおかつ保育士の人数は減らしていました。
保育士の人数が少ないためもちろん休暇は取得できません。
それどころか、保育士が数分の遅刻ややむを得ずの欠勤をした場合には一日の給料が消し飛ぶほどの罰金や一週間の無賃労働を課し、祝日の多い月は給料を減らしました。
また、園児に提供する給食の量が70人の園児に対し40人分程度と誰の目にも明らかに少なかった事や、各園児のアレルギー対応なども杜撰で、保育士の目も届きにくいことからいつ園児に間違いが起こるかわからない状態であったといえます。
ブラック保育園の実態が明るみに出なかった理由
まず、大きな理由として国や自治体の認めた「認可保育園」であるということから、保護者達は無条件で安心し信頼して子供を預けてしまったということが挙げられます。
しかしながら何をもって「認可」であるのかという疑問が持たれ、詳しく調べたところ、当時姫路市では書類のみの審査で、なおかつ杜撰であったことや保育園への訪問などがなかった事が問題視され、自治体ではこの事件以降認可基準に対する審査を入念に行うように改める方針とのことです。
また、通常であれば人数オーバーで受け入れてもらえない園児も受け入れていたこと。監査が入る日予定のは登園しないでほしいと伝えていたため、保護者側も違反であることは気づきつつも子供を預ける場所に困っていた手前何か言いづらかったということもあります。
保育士に関しても、保育園に不満があったり、意見を言うと給料を払われなかったり罵詈雑言でけなされたということもあり、保育園の問題は理解しつつ行動に移せなかったといいます。
結局のところ、この問題は保育士が告発したことにより明るみになりました。