保育のお仕事パーフェクトガイド

保育施設でよく起こる事故とその事例

保育士の仕事の一環として、子どもたちの健康管理や事故予防対策は欠かせません。
そのためにも小さなお子さんと過ごす上で起こりやすい事故やどういった状況でその事故が起きたのかを知ることが事故予防に繋がります。
こちらでは保育施設でよく起きる事故とその事例についてご紹介しましょう。

お昼寝中の事故

月齢の低いお子さんを預かる保育施設で、とくに多く発生するのがお昼寝中の事故。
認可外保育園で発生した事例です。
当時生後6ヵ月の男の子がお昼寝中に亡くなりました。
職員がミルクを与えた後、男の子は眠りにつきましたが、約30分後にうつぶせの状態で心肺停止となっているのが見つかりました。
報道によれば、吐いたミルクを誤って誤嚥したことによる窒息死の可能性が高いとされています。

プール活動・水遊びでの水の事故

プール活動や水遊びが始まる6月頃からは、水難事故が起こりがちです。
幼稚園で発生した事例です。
当時3歳の男の子が溺れて亡くなりました。
この幼稚園では、プール活動時の監視と指導を1人の教諭が担当することになっており、監視体制に不備があり、発見が遅れた可能性が考えられます。
さらに、緊急事態が発生した場合の対応手順に関するマニュアルが存在しなかったことも判明。
この結果、119番通報や胸骨圧迫などの必要な救命処置が迅速に行われなかったため、最悪の事態が引き起こされました。

給食やおやつでの喉の詰まり

給食やおやつなど、食べているものをのどに詰まらせて窒息する事故も多く発生しています。
認可保育園での事故事例として、当時1歳2ヵ月の男の子が食事中に食べ物をのどに詰まらせたとみられ、搬送先の病院で死亡する事故が発生しました。
給食のメニューは、刻まれたリンゴ・パン・トウモロコシ・ハンバーグなど。
男の子が食事中に異変を起こした際、職員は素早く対応し背中を叩くなどの救命措置を行いましたが、搬送時には心肺停止状態であることが報告されています。
事故当日は職員3人が0〜1歳の9人を見守っていました。

散歩中の事故

街の自然や人々と触れ合いながら感受性や社会性などをはぐくめるお散歩ですが、外に出ることで事故に遭ってしまうケースもあります。
幼稚園で発生した事例です。
3歳の女の子がお散歩中に天王山参道の橋周辺で約3.6メートル下に滑落する事故が発生しました。
事故直後、女の子は意識があり自力歩行もできたため、保育士は手と腰のすり傷の軽傷と判断。しかし、事故から3日後に女の子の左前頭部に骨折と脳挫傷が判明し、入院することとなりました。
この事故を受けて、保育園の危機管理について問題が指摘されています。
事故が発生した際の適切な対応や保護者への連絡体制が不十分であったとされているのです。

いかがでしょうか。
保育施設側は危機管理体制を見直し、事故発生時の対応手順や情報共有の強化、保護者への連絡体制の整備などを行うことが重要です。
子どもたちの安全を最優先に考え、同様の事故が再発しないような対策を講じる必要があり、保育士も意識することが大切になります。