保育のお仕事パーフェクトガイド

保育施設内での熱中症予防と対処

年々猛暑日が増えている気がする夏。この蒸し暑い季節になると注意しなければならないのが熱中症です。
保育施設でも注意喚起をすることが多いでしょう。
こちらでは保育士が知っておきたい熱中症の原因や症状、対策のポイントについてご紹介しましょう。

熱中症の原因

熱中症になる原因は気温や湿度などがありますが、こちらでは子供ならではや環境についての原因をみていきましょう。

子どもならではの特徴

子どもは体温調整機能が未熟で、暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかるため、熱中症のリスクが高まります。また、子どもは全身に占める水分の量が大きく、代謝も活発です。
これらの点からも、暑い環境での遊びや活動において特に注意が必要になります。

環境面

特に日陰のない場所や直射日光が照りつける環境では注意が必要です。
子どもは遊びに夢中になり、身体の異変に気づきにくいことがあります。
また、身長が低い子どもは地面からの太陽光の反射による影響を受けやすく、照り返しの影響でかなりの暑さにさらされることも考慮すべきです。

熱中症の症状

熱中症には「熱失神」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」の4つの症状があります。
特に高熱と意識障害が見られる場合は、早急な対応が必要です。
子どもの異変に素早く気づき、対処できるよう、それぞれの症状を知っておくことが重要です。

熱失神の症状

暑い環境で血管が広がり、血流が減少することでめまいや顔面蒼白などが現れます。

熱けいれんの症状

大量の汗とともに塩分(ナトリウム)が失われ、足がつるなどの症状が現れます。注意:熱性けいれんとは異なります。

熱疲労の症状

脱水により頭痛や吐き気、倦怠感などが現れます。

熱射病の症状

熱疲労が重症化し、非常に危険な状態です。40℃以上の高熱、発汗停止、意識低下障害などが見られる場合があります。ショック状態になる場合もあるので注意が必要です。

ショック状態は全身の組織に十分な酸素が届かない状態で、重篤な状態です。必要な血液の循環が悪くなるため、放置すると命に関わる恐れもあります。

熱中症になったときの応急処置

熱中症の症状は軽度から重度まであります。重篤な症状が見られる場合は救急車を呼び、身体を冷やし続けることが重要です。
応急処置としては、涼しい場所へ移動し、足を高くして頭を下に寝かせること、水分補給(意識があり、誤嚥のリスクがない場合)や衣服をゆるめることが挙げられます。
また、動脈を冷やすことで体温上昇を抑えることができます。
予防策も重要であり、こまめな水分補給や熱中症対策を行うことが大切です。

軽症の場合も時間経過とともに重症になるケースもあります。
保護者にはきちんといつどこでどのような症状があったのかを伝え、お子さんがどのような状況にあるのかしっかりと伝えたうえで不安をとりのぞくように努めましょう。