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脳の発達に有効と言われている「手遊び歌」。今回は「脳教育はなぜ必要なのか」それに関わる「手遊び歌」の効果を半減させないためのポイントについてご紹介します。
楽しみながら脳の発達を促す手遊び歌
脳科学的に、脳は3歳までに80%、6歳までに90%発達すると言われています。そんな時期に子ども達と長時間触れ合う保育士は、子どもの成長に大きな影響を与える存在です。では、どのように脳の成長を促せば良いのか。それはいつも遊んでいる「手遊び歌」にあります。手遊び歌は、子ども達が手本を見るという刺激を受け、真似をすることで脳の成長を促す大事なツールです。うまく活用しましょう。
「脳を育てる」と聞くと勉強ができる子にするというイメージが強く、のびのび育てたいとお考えの保育士にとってはピンとこないかもしれません。しかし、心は脳にあります。ですから、「相手を思いやる心」も脳が育っていないと持つことができません。脳が育っていないと自分を成り立たせるために相手を攻撃するような子になってしまい、大きくなってからも周りに迷惑をかけるだけでなく、自分も不幸にしてしまいます。「脳を育てる」ことは思いやりの心や社会性を育てるために必要なことです。また、脳は心だけではなく体の司令塔でもあるため、運動能力を高めることにも繋がります。
注意するポイント
子どもの成長を促す手遊び歌ですが、気を付けないと効果が薄れたり、なくなってしまうこともあります。そこで逆効果にならないポイントについてお伝えします。
まず初めに大切なことは無理にさせないことです。一緒に動かない子どもがいると、先生はどうしても気になってしまい、無理にやらせる先生もいるかもしれません。しかし、子ども達は「見ている」だけでも多くの情報をキャッチして吸収をしています。子どもには「延滞模倣」という「一度見たものを記憶し、手本を見ずに再現する」という力を持っています。これは発達する上で重要な機能です。
「保育園ではやらないけど、家では出来る」というお子さんも問題はありません。子どもにとっては見ることや刺激を受けることが一番の学習です。無理にアウトプットさせると手遊びが嫌いになってしまうこともあり、そうすると効果はなくなってしまいます。子ども一人ひとりが自分なりに楽しめる雰囲気作りを心がけてください。
また、効果を理解した上で、子どもが遊びやすいよう適切な声掛けもしていきましょう。例えばねらいが「肩の可動域をあげること」がひとつあるとして、直接子ども達に「肩甲骨を動かそう」と言っても何のことか伝わりません。直接説明するのではなく、ねらいに沿った動きができるよう「大きく思いっきり開くよ~」とサポートするような声掛けをしていきましょう。