深刻な待機児童問題への対策がさまざまな観点から打ち出されていますが、どうしても保育士不足は否めません。
そこで国や自治体が「潜在保育士」の再就職サポートに力を入れています。
「潜在保育士」と取り囲む環境をご紹介します。
潜在保育士とは
保育士資格を取得していて、保育士として働いていないのが「潜在保育士」です。
保育士資格を持つ、約119万人のうち、保育士として実際に働いているのは約43万人ほどと言われています。
その残りが潜在保育士というわけです。
保育士は国家資格なのに、報われない職業と言われています。
保育の仕事を本当はやりたいのに、経済的、体力的、精神的な面から保育士の仕事を離れていく人が多いのです。
お給料に見合わない事務作業と肉体労働、結婚・出産といったライフステージの変化に柔軟にすることが難しい雇用形態。
理由はさまざまですが、保育士として働くことができない現実が、多くの保育士が誕生する傍らで今も潜在保育士を生み出しています。
潜在保育士の再就職に対する背景
「保育士不足」が待機児童問題解消のネックになっているということはさまざまなメディアで取り上げられています。
このことからも、保育士の待遇が少しずつではありますが、改善されてきているのです。
その結果、保育の仕事にやりがいを感じつつも保育業界から離れた潜在保育士、子育てが一段落した潜在保育士や改めて社会貢献したいと保育士を目指す方々も年々増加してきています。
保育の無償化を進めても、企業主導型保育施設の条件緩和や助成を進めても、保育士が不足していることから保育施設の拡充が出来ず、大元の待機児童問題が解消できない現状。
この解消のために7万人以上いるであろう潜在保育士の復帰を求め、国や自治体が積極的に潜在保育士の復帰をサポートする制度を整えてきています。
今現在保育士資格を持っている潜在保育士の再就職は期待できるものになっているといえるでしょう。
保育現場未経験でも就職できるか
保育士資格は取ってみたけれど、保育現場での実務経験がないという方は不安で二の足を踏むことがあるでしょう。
保育現場未経験でもエントリー可能、むしろ大歓迎という求人情報も少なくありません。再就職は可能です。
もちろん年齢や学歴、他の社会人経験の有無は確認されますが、保育士資格を取得していること、その資格を活かして社会貢献や仕事をしたいという思いは好意的に受け入れられるでしょう。
子育てが落ち着いてから保育士資格を取ったという方も、ご自身の子育て経験がプラスに評価されることが多く、保育現場から歓迎されます。
保育現場にブランクがある場合
保育士として保育現場で働いたことがあるという方であれば、ブランクが問題になるということはほぼありません。
未経験は難しいけれど、ブランクがあるというという方は逆に歓迎されることもあります。
ブランク期間はライフステージの変化があった、保育とは別の仕事を経験していたなどどのようなことをしていたかも含めて、保育士としての仕事に活かされるでしょう。
保育業界以外で培ってきた豊かな人間性が、保育士としてしか働いていない若い保育士から歓迎されることも多いのです。