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保育士の待遇は約9000円でよくなるのか
2021/12/29

保育士の平均収入は一般的な業種と比べて低いと言われています。
命を預かる責任の大きな仕事でありながら、待遇が悪いため保育士の人材不足につながっていくのです。
そんな中政府が介護職や保育士の賃金を月額3%程度にあたる約9000円を引き上げる方針を固めました。
果たしてそのままの形で保育士の待遇が良くなるのでしょうか。

9000円の賃上げ

「新しい資本主義」の政策の一環として、「保育士等・幼稚園教諭、介護・障害福祉職員」を対象に、「収入を3%程度(月額9000円)引き上げるための措置」を来年2月から実施することがきまりました。
当面の措置として9月分までの経費2600億円が計上されています。
2020年の介護職員の平均月収は23万9800円、保育士は24万5800円です。
そして全産業平均は30万7700円。大きく下回っており、9000円の賃上げでも焼け石に水といった感じが否めません。
それに加えて本当に保育士の収入が月額9000円ほど増加するのかも不明瞭な部分があります。

本当に保育士に届くのか

保育園の規模に合わせた配置基準によって補助金として配分される約9000円の賃上げ。
そのため普段から配置基準以上に職員数を増やしている、はたから見ると休みが取りやすい円ほど一人9000円賃上げの実現は最初から無理になります。
政府は施設の運営者が職員の処遇改善のために動いているか、賃上げをしているか二重チェックで報告を求めています。
もし計画通りに賃上げをしていないことが発覚すれば補助金の返還が求められるのです。
こうした対応を取られると実際に保育士に届く可能性も出てきます。

介護・保育ユニオンの動き

労働組合の介護・保育ユニオンは、
・委託費のルールづくり
・配置基準の引き上げ
・公的価格の引き上げ
を保育者の労働条件改善のために要求を出しています。
国や自治体、事業者に保育施設で働く労働者に対する正当な評価を求めるためのデモも予定しているのだとか。
ルールを作ることは重要な取り組みです。
9000円の賃上げが看板倒れにならないように、保育士だけでなく、保育施設で働く看護師や栄養士などにも処遇改善が波及していくような取り組みが期待されています。